生成AIの登場で「Webデザイナーはいらなくなる」と言われています。
これは生成AIでもできることしかできないWebデザイナーなら、残念ながらその通りです。
でもWebデザイナーがゼロになることはありません。
ではこれからのフリーランスWebデザイナーは何が必要かと言うと、
「ディレクションする力」です。
未経験からWebデザイナーを目指そうと思っている方にとっては、いきなり無理難題と思われるかもしれませんが、、^^;
実はそうとは限りません。
この記事では、これからのフリーランスWebデザイナーに求められる「ディレクション力」について、
未経験の方にもわかりやすく解説していきます。
2024年、本気でフリーランスWebデザイナーを目指す方々に届け〜
こんにちは!デザイナー歴14年、フリーランス6年目のマムです。現在、小学生を子育てしながら在宅でグラフィックデザインとwebデザインのお仕事をしてます。
Webディレクターというポジションがありますが、それとは異なるお話です。
これからのフリーランスWebデザイナーに必要な「ディレクション力」とは
「ディレクション力」とは、先頭に立って仕事を引っ張っていく力です。
クライアントは「ここにお金を払っている」と言ってもいいくらいだよ!
Webデザイナーに必要な「ディレクション力」は、
教科書があるわけでもなく経験から学びとる部分が大きいので、
経験が長いWebデザイナーほど「ディレクション力」を持っていると考えるのが一般的です。
ですが私、これまで「ディレクション力」を備え持った「カンの良い」初心者デザイナーを何人か見てきました。。
これマジバナです(・_・)
つまり、、、
「ディレクション力」って、デザイン経験無くても「持っている人は持っている」ってことなんです。
これからのフリーランスWebデザイナーに必要な「ディレクション力」の内容と「ディレクション」の方法
フリーランスWebデザイナーとして仕事をする上で必要な「ディレクション」の内容は5つあります。
- ヒアリング力(=理解力)
- リサーチ力(=行動力)
- デザイン企画力(=整理整頓力)
- プレゼン力 (=親切心)
- マネジメント力 (=報告・連絡・相談)
見ただけで引きそうですが 、、^^;
カッコ内のイコールで置き換えた言葉ならどうです?
イメージしやすくないですかね。
そうなんです、
Webデザイナー未経験だろうと何だろうと、実は求められてることは社会人として当たり前のことなのです。
とは言え、力の入れどころがわからないですよね。
具体的にどんな「場面」でどんな「力」を入れたら良いのか、次に解説していきますね。
1. ヒアリング力(=理解力)
クライアントの要望を「聞き取り調査」することを「ヒアリング」といいます。
通常仕事が発生するとクライアントからの「説明(オリエンテーション)」があって同時にヒアリングが行われます。
オンラインなどで顔を見ながら実際に話すこともありますが、フリーランス案件の場合そうでないことが多いです。
例えばクラウドソーシングなどは「オリエンシート」というかたちで要望が「書面」になっていたりします。
ヒアリングの一番の目的は「クライアントとデザイナーが同じ方向を向く」ことです。
そのためには、クライアントの「要望を正しく理解する力」が必要になってきます。
もし理解が間違っていると、デザインに何度も「修正」が入るという事態になってしまいます。
ただし「修正」はあって当たり前です。
デザインはクライアントとデザイナー双方でつくり上げていくものだからです。
デザイナーにとって重要なことは、修正の「意図を理解」することです。
例えば「文字色を赤にしてください」という修正があるとします。
でもその意図が「目立たせたいから」ということなら、
文字に色をつけなくても、サイズを大きくするだけで解決することがあります。
そして要望や意図がいまいち理解できない時は、方向性を見失わないためにどんどん質問します。
適切に質問をすることで意思疎通ができて「お互いに満足のいく仕事」になるのです。
これらの全てが「ヒアリング力」ということになります。
ヒアリング力
- クライアントの「要望の理解」
- 修正の「意図の理解」
- 理解できない時の「適切な質問」
2.リサーチ力(=行動力)
デザインをカタチにするためには「リサーチ(調査)」が欠かせません。
「リサーチ」には2段階あります。
リサーチ
- 第一段階:クライアント企業についてのリサーチ
- 第二段階:デザインに向けたリサーチ
クライアント企業についてのリサーチ
まずはクライアント企業についてリサーチします。
打ち合わせやオリエンテーションが予定されているなら事前に済ませておきます。
具体的には以下のような内容です。
- クライアントの事業内容、創業者、沿革、商品・ブランド
- クライアントが過去に発信したデザイン
- 業界について(世の中の認知度、売れているものなど)
- 競合について(同業他社、一番似ている会社・商品など)
クライアント企業がどんな環境で成長してきたのか「育ち」をみます。
これはクライアントの立場に立って考えるために必要です。
また他社と比較して世の中の立ち位置を確認することで、
クライアントが抱える悩みや問題の「原因」が見えてきます。
デザインに向けたリサーチ
ヒアリングから具体的なオーダー内容がわかったら、
デザインに向けたリサーチを開始します。
- 競合のデザイン
- ターゲット層の好きなものやライフスタイルのビジュアルイメージ
- オーダーのイメージに近い参考になるデザイン(Webデザインに限らない)
あとで見返せるように画像やテキストでまとめます。
あくまで自分用で構いません。
マムはPinterestのボードを「非公開」にしてまとめているよ。
こうして「情報」を集めるといくつかのデザインの傾向が見えてきます。
これがこの後の「デザインの材料」になります。
デザインはひらめきではなく、ひたすら検索して「裏を取る」地道な作業の上に成り立っています。
「リサーチ」が難しそうと感じた方。
もっとずーっとシンプルに考えてみてください。
サッカーだってバスケだって、周りの敵の動きを把握してこそ、自分の動きの「戦略」が決まるものですよね。
デザインもまったく同じなんです。
「クライアントの悩みを解決するデザイン」ができるかどうかは「経験のある・なし」は関係なくて、
この面倒な作業を「やる」か「やらないか」にかかっています。
3. デザイン企画力(=整理整頓力)
「デザイン企画」というと難しそうに聞こえますが、やることは単純作業です。
リサーチで集めた情報の整理整頓です。
例えばこんな感じで集めた画像やキーワードを分類していきます。
- メインビジュアル:写真かイラストか
- ターゲット:年齢、職業、趣味、ライフスタイル
- 配色:ビビッドかペールか、暖色か寒色か
- 書体:ふんわりかビシっとか
- ターゲットのツボに入る言葉やアイテム など
デザインの具体的なカタチがみえてきましたよね。
これがデザインの「理由」になっていきます。
すべてをつなげれば「デザインコンセプト」の出来上がりです。
この「デザイン企画」をもとに実際のデザインに落とし込んでいきます。
4. プレゼン力(=親切心)
デザイナーには「プレゼンテーション」がつきものです。
大画面スライドの前でダイナミックにしゃるべプレゼンの機会は少ないかもしれませんが、
たとえ頼まれていなくても「書面」でのプレゼンはやるべきです。
デザインを提案する際に「デザインの説明書」として添付します。
テクニックにとらわれず、「企画」の過程で考えたことをそのまま載せます。
文章が苦手なら箇条書きやキーワード、写真やイラストを利用してもOKです。
添付書類のビジネスマナー:「A4ペラか数ページ程度のPDF」が、迷惑にならない・かつ扱いやすい無難な形式です
またプレゼンは、最初のデザイン提案一回きりで終わりではありません。
修正があった場合など、お客様とやりとりする時は常に「わかりやすく伝える」ように心がけます。
その際も必要に応じて「説明資料」を添付してあげると親切です。
これら全てが「プレゼン力」です。
プレゼン力
- デザインの提案をする時は「デザインの説明書」を添付してわかりやすく伝える
- お客様とやりとりする時は常に「わかりやすく伝える」ことを心がける
- 必要に応じて「説明資料」を作成・添付する
フリーランスWebデザイナーに必要な「プレゼン力」は、テクニックではなく「親切心」です。
「親切心」は100%クライアントに伝わります。
5. マネジメント力(=報告・連絡・相談)
フリーランスにおける「マネジメント力」は一般的に「自己管理能力」とも言われますが、
実際にやるべきことは早めに「報告・連絡・相談」すること、
いわゆる「ホウ・レン・ソウ」です。
マネジメントの内容は以下3つのことについてです。
マネジメントの内容
- お金のこと
- 時間のこと
- 問題が起こった時のこと
お金のこと
お金について最初に確認すべきことはプロジェクトの予算です。
予算によって写真は撮影かレンタルか、イラストは外注か、などが決まってきます。
わからなければどの程度お金をかけられるのか確認が必要です。
お金のことについては、とにかく密な報告と連絡がトラブル回避の秘訣です。
時間のこと
デザインには修正が入る前提で、前倒しのスケジュールで進めることが大切です。
クライアントに確認作業をしてもらうために、あらかじめ提出予定日を連絡しておくことも必要です。
また期日に間に合わなそうな時は早めに相談すれば何とかなるものです。
問題が起こった時のこと
お金のことやスケジュールのこと、仕事にトラブルはつきものです。
フリーランスは私生活の事情が関係してくることもあります。
問題が起こったら「すぐに」連絡することで、ほとんどんのことは解決できます。
未経験者は「ディレクション」を一度プロの指導のもとで実践してみるべき
めちゃくちゃ具体的に「ディレクションの方法」をお伝えしてきましたが、、
社会人経験のある方なら、仕事において気を付けるべき点は「どんな職業でも同じ」ということがお分かりいただけたかと思います。
そう考えたら、、やれそうな気がしませんか?!
これからフリーランスのWebデザイナーを目指す方は、
「実践ベースの学習」ができるWebデザインスクールの利用がおすすめです。
できれば「案件紹介」や「案件サポート」のあるスクールで確実に「初仕事」を獲得して、
プロのサポートのもと「ディレクション」を実践してみてください。
できそうなところからで構いません。
「ディレクション」を意識しただけで、お客様の反応は確実に変わります。
ぜひこれを体験して、次の仕事もお願いされるWebデザイナーを目指しましょう!